†無法地帯†
□風邪引き鬼
1ページ/2ページ
※沖田と風間は公認の恋仲設定。
―夜もだいぶ更けて、そろそろ床に就こうか迷っていた時だった。
平助が慌てて、僕を呼びつけに来たのは。
一体何事かと、屯所の入り口まで走る…そこには幹部全員(近藤・山南抜き)が揃い、その中に見慣れた金糸の髪が揺れていた。
「…風間っ!」
「…そ、う…じ…」
風間は僕を見た途端に力が抜け、地面に倒れる寸前で抱きかかえた。
何時もより熱い身体、荒い呼吸。
微かに震えていた。
「…総司、風間風邪引きさんらしいぜ?」
新八が云い、顔を見れば潤んだ紅い双眸が僕を見た。
いつもなら、誘っているようにしか見えないけど…
「何で、風間が此処に?」
「どうしても逢いたかったんだろ」
土方さんの言葉に、僕は真っ赤に染まる。愛おしい恋人がそんな事を思ってくれていたなんて思うと。
「…欲情するなよ、総司」
一君にピシャリと云われ、仕方なく諦めた。(いや、当たり前?)
そのあと、布団に風間を寝かし僕は看病をしていた。
幾度となく理性がキレそうになって、我慢するのに一苦労したのは、僕しか知らない。
「…寝てればこんなに可愛いのに…」
クスリと笑みを零し、滴る汗を拭ってあげた。