†小さな話†

□蒼空
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―俺が羅刹になって

軽蔑してくれて構わなかった



なのに、お前は


『それが貴様の信じた道であれば、俺は何も云うつもりはない』


紛い物とは違い


生まれ持った鬼としての姿


人間を遥かに超越した存在




誰よりも紛い物を嫌う鬼の頭領が


羅刹になった俺を軽蔑することなく


そう強く言い放った。




今でもよく俺は聞く


『俺を…羅刹になった俺が嫌いじゃないのか?』


『阿呆。貴様など元より嫌いだ』


可愛く嘘をつく鬼を






俺は愛して行く。





たとえ、この命が消えようとも。

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