†小さな話†
□朽ちぬ躰
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※土方と千鶴は生きてる設定で。
―桜の木の下で横たわる亡骸。
その近くに鬼の副長こと土方歳三。
女鬼である雪村千鶴。
2人が座っていた。
「…天霧さん…」
2人が私に気付き、私は頭を下げた。
そして、金糸の髪を持った亡骸に近付いた。
呼吸もせず、目を開くこともせず
彼はただ眠りについていた。
「……帰りますよ、風間」
その冷たくなった体を抱き上げ、返事すらしない彼に言った。
「…風間は、最後に笑っていた。胸を貫かれいても」
「彼には貫きたい信念があったのでしょう。それを果たしたと思ったから笑ったと思います」
淡々と私は土方歳三に告げ、風間を連れ闇に姿を消した。
何故、貴方はそこまでして信念を貫こうとしたのですか?
死ぬ必要など無かった。
頭領が居なくなった今、鬼を纏めるのは誰ですか?
風間千景。
それは本当に大きな支えであったのに…
私はこれからどう過ごせば良いですか?
貴方が居ない現実の中を
私は生きている意味はありますか?
「千景…答えて下さい…」
―数日経っても朽ちぬ躰を、私は何度起き上がってくれると思っただろう。