*Treasures*

□嘘つきダーリン
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だいたい一ヶ月に一回、短いときは三日に一回の感覚で、ユチョンは部屋を抜け出す。


「ジェジュ兄達には内緒だよ」なんて僕に向かって悪戯に囁いて、頬を撫で、頭を撫でる。まるで、これから何週間も会えなくなる恋人みたいに、長い長い時間をかけて。


そして最後に僕のおでこに一つキスを落として、「お休み、ジュンス」と部屋を後にするんだ。


彼はもう、僕の起きてるうちに帰って来ないから。











最初は特になんとも思ってなかった。


ユチョンは僕の恋人だけど、その全ての時間を僕に割けっていうのは土台無理な話だし、ユチョンに束縛激しいって思われたくなかったから。


それに、数少ないユチョンの息抜きの場、ってやつだと思っていたから。それを奪う権利は、恋人の僕にも与えられていない。






(…一番の理由は、ユチョンにいい子って思われたかったから…なんだけど、さ)






だから、僕も何も深く考えずに「いってらっしゃい」って見送った。


そんな僕にユチョンが少し辛そうな顔してたのにも、気づかない振りをして。












でも、そんな生活をずっと続けていくうちに、分かってしまった。


ユチョンがなんで出掛けるのかと、なんであんな顔してたのかが。




気づきたくなかったよ。




ねぇ、ユチョン。




なんで、ユチョンは…
















僕の知らない女の人の匂いを纏って、


僕のところに帰ってくるの?




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