OP 長編
□exceptional
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女のくせに強い。
おれが認めるくらい強い。
その強さをもっと磨くためにどれだけの努力をしているのかも知っている。
だからおれは鍛錬のための道具を貸すし、一緒にトレーニングだってする。
おれなりのお前を認めた、という行動だ。
「あ、ゾロ」
「…どうした」
「昼寝にいい場所ないかなーと思って探してた。」
「そうか」
「ね、隣いい?」
「あァ」
さんきゅーさんきゅーと笑いながら隣にどっこい、と言って座った。
女のいやらしさというか、ねちっこいような部分を出さないところや媚びないところが、おれがこいつに居心地の良さを感じるところかもしれない。
あとは背負うものや迷いがない闘い、瞳。
隣に座っているが、特に会話することもなくお互いの空間を過ごす。
だからと言って気まずいわけではなく、むしろ心地がいい。
こいつの作り出す雰囲気は居心地がいいのだ。
「…ゾロ」
「なんだ」
「…何でもない。呼んでみたくなった」
「おう」
不意に呼ばれた声に不覚にも胸がどくりとするのを隠すようにぶっきらぼうに答えた。
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