ニオブン
□依存症
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いつもウザいくらいちょっかい出してくるアイツ。
たまたま俺の前の席が仁王だった時は、酷かった。
授業中、いっつも椅子をぐるんとこっちに向けて、俺に話しかけてくる。
それも、すっげーどーでもいい事ばっか。
「まーくんお腹すいたぁー」とか、「あの先生、絶対ズラじゃww」とか。
正直、自分の事を[まーくん]と呼ぶのはどうかと思う。
はっきり言って、キモいぞ。
部活中もだ。
俺が、天才的妙技を赤也に見せてた時。
時間差地獄を見せてやろーと、ジャンプした瞬間後ろから、「ぶーんちゃーん」なんて、気の抜けるような声で呼ぶから気ぃとられて。
技は失敗するわ、馬鹿也には笑われるわで、すっげー恥ずかしい思いをしたんだぜぃ!
でも、今は違う。
席替えをして席が遠くなって、部活以外話さなくなった。
それで良いはずなのに。
なのに、何かモヤモヤする。
比呂士と話してるアイツを見ると、泣きたいような、怒りたいような。
そんな気持ちになる。
仁王と話したい。
俺以外の奴と話さないで欲しい。
きっと俺は、仁王依存症。
end。