ニオブン

□多重人格
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昼休み、屋上でいつも通り昼飯をたべていたら、丸井が

「もし俺が多重人格だとして、それでも仁王は俺の事を愛してくれる?」

なんて聞いてきた。


「どういう意味じゃ?」

「たくさんある人格の中でも、俺だけを愛してくれる?それとも、俺の人格全部まとめて愛する?それとも…」

嫌いになる?

寂しそうな顔で、小さく最後の言葉を呟く。


「結局それは、全部丸井なんじゃろ?だったら人格全部まとめて愛するな」

「そんな自信、ある?」

「ある。」

「1人1人が、『俺だけを愛して』って言ったら?」

「それでも皆を愛するよ」

そう言うと、少し顔に明るさが戻り、

「そんな事したら、みんな愛想つかしちゃう」

なんて小さく微笑んだ。

「俺はそれでもいいんじゃ。片想いでも、どんなに丸井が俺を嫌っても、俺は丸井の事が好きじゃから」

「そっか、ありがとう。」

「急に何じゃ?改まって」

「別に、何でもないっ!!」

そう言い笑った丸井の顔は、何か吹っ切れたような、爽やかな眩しい笑顔だった。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「俺さ、仁王の事好きでよかった」

「うん、俺も丸井の事好きでよかった」





end.

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