お題

□流れ星
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「ねぇ仁王、星を見に行こう」

「…ぇ?」


それは、幸村のいつもの急な思いつきじゃった。
なんでも、「急に満天の星空が見たくなった」そうじゃ。

流石、神の子。詐欺師の俺にも全く思考が分からん。



夜。
こっそり学校に忍び込み、屋上に上がる。

頭の上には満天の星空。
隣には大好きな幸村。

うむ、たまらん。



「あ!見た仁王?流れ星だよ流れ星!!」

「ほぅ、良かったの」

流れ星を見てテンションが上がる幸村に、少し素っ気なく返事をする。

「ついこの間まで、病院から出る事なんて出来なかったんだよな。だから、こんな風に仁王と星空を見るなんて、思ってもみなかった」


そうじゃ。
ずっと病院から出られなかったんだ。
その上、もう大好きなテニスが出来なくなる。
なんて言われたのに。

治るか分からん病気でも、1_でも治る確率があるなら。と、手術を受け、一生懸命リハビリを頑張っとった。


「流れ星の願い事は、全国優勝か?」

「そんなの、願わなくても大丈夫だよ。俺達はここまで頑張ってきたんだ。優勝出来ない訳がないよ」

「じゃあ、なんて願ったんじゃ?」

「ずっと二人で星を見ていれますように」

「よし、じゃあ今日はここに泊まるか!」
「やだよ寒い」

「…そっか。」



END.
自由気ままな幸村くんに振り回される仁王が好き

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