立海

□こんな君さえいとおしい。
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「大好きだよ仁王。」

どんなに愛の言葉を伝えても、彼は何も答えてくれない。

「仁王。」

ピクリとも動いてくれない。

「見てよ仁王、[紅]。真っ赤だよ」

青白い肌を、一筋の[紅]が、つーっと流れる。

「綺麗だね。俺の、俺だけの仁王。」

誰にも渡さないよ。と、小さく呟き、血だらけの身体で血だらけの仁王を抱き締める。

「仁王…」

どれだけ強く抱き締めても、だらん。とした力ない腕は、抱き締め返してくれない。

「それでも良いんだ。これからもずっと、二人きりで居ようね。」

青い唇にキスして呟く。


(こんな君さえいとおしい。)

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