立海

□ラブアトミック・トランスファー
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「ねぇ、仁王」

「んー」


雑誌から目を離さずに返事をする。
いつもそうだ。

君がこっちを見て返事をしないのは、俺の事が嫌いだからなのかい?


違うだろ。


君はいつでもそうだ。
本当の自分を誰にも、俺にも見せない。
「欲しい?」と聞けば「いらない」というし、
「教えて?」と聞けば「知らない」と言う。

所謂ツンデレってやつなのかもしれないが、俺は仁王のデレを一回も見たことが無い。


それでもずっと一緒に居たら、少しぐらいデレてくれるんだろうね?
時間がかかっても本当の君が知りたいから。


手塚ゾーンでボールが手元に来るように、俺の心も君に近づくよ。
君がどこに居てもいつの間にかすぐ傍に移動してるんだ。


俺と仁王の間にできてる気持ちの名前は分かりきっていて、この気持ちは―――


あぁ、やっぱり言うのは止めておこう。君が訊ねてくるまでしまっておこう。
どんなに辛くて苦しくて泣きそうでも、ちゃんと俺なりの優しさで伝えてあげるから。


どうしたらいいか分からないなら、なにもかも壊して捨ててしまえばいいよ。
それで俺と仁王が向き合えるなら安いもんさ。



手塚ゾーンでボールが手元に来るように、俺の心も君に近づくよ。
君がどこに居てもいつの間にかすぐ傍に移動してるんだ。






「…なぁ幸村」

「ん?」

「俺、幸村と居ると苦しい。でも、幸村と離れてるともっと苦しい……この気持ちは何なんじゃ?」
「ふふ、仁王それはね、―――」





END.

さぁ、皆も仁王くんと一緒にこの気持ちについて考えてみよう!

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