片恋。
□恋。
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「男ってどうなんだろ」
あ、やってしまった。
そう思ったと同時に後悔した。
案の定、日向を怒らせてしまった。
日向がこういう差別的な話題を批難するのは分かってたのに。
無意識に口をすべらせてしまった。
伏せ目がちに答えた日向の顔を思い出す。
『俺たちがどうこう言っていいことじゃない』
軽く考えていると思われた?
軽蔑されたか?
「あー、あ。ヒナ行っちゃったよ」
「柳も大概ばかだな〜。ヒナちゃんが潔癖なの知ってんじゃん。あんなこと聞かれたら俺らだって困るし」
「あぁ、ゴメン、」
言葉がいたい。
さっきのは完全に自分に非があったので何も言い返せない。
改めて自分の軽率さを思い知る。
「大体にして、なんでそんなこと聞きたんだ?」
「まさか、ホントにそっち系に目覚めたとか!?」
………コイツら人の気も知らないで好き勝手言いやがって。
わざとらしく盛大に溜め息を吐いてやる。もう何とでも言えばいい。
「・…ちょっと行ってくる」
そう言って立ち上がると周りから焦った声が上がる。
「オイ、ちょっ、柳?ジョークだって!」
「本気にすんな〜」
「あー、ハイハイ。日向迎えに行ってくるだけだっつの!」
昼休みがもう少しで終わってしまう事を気にしながら、日向にどう謝るかを考えながら速足で廊下を横切っていった。