帝人受け

□何でも知っていますよ
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こんにちは。竜ヶ峰帝人です。
二年生になって、初めて後輩が出来ました。
とても敬ってくれる礼儀正しい子です。
今日はその後輩と一緒に帰ることになりました。

「先輩、先輩!!」
「あ、青葉君」
「こんにちは」

校門脇に立って僕らを見つけて駆け寄ってくる。
笑顔でとても可愛らしい。

「杏里先輩と竜ヶ峰先輩は、今帰りですか?」
「そうだよ」
「そうです」
「僕も一緒に帰っていいですか!?」

園原さん、僕、青葉君、と並んだ。

「あれって何ですか?」

園原さんが前方を指差して首を傾げた。

「え、どれ? 何だろう?」

僕も尋ねられた方向を向く。
けれども、たずねられたものが何なのか分からなかった。

「あぁ、あれはですね……」

僕の右隣にいた青葉君が丁寧に教えてくれた。

「すごいー、青葉君詳しいね」
「すごいです」

素直で頭もきれる子だなぁ。
詳しい後輩を褒めた。
すると、青葉君が上機嫌に言った。

「そうですか? 実は他にも知ってるんですよー」

ニコニコと笑顔をみせながら、語りだした。

「杏里先輩と竜ヶ峰先輩が、2年間同じクラスで学級委員をやってるんですよね」
「そうですね」

へぇ、そんなことまで……。
噂にならない情報だ。
誰かから聞いたのかな。

「あとそれと……今日の朝、帝人先輩が階段でつまずいてこけかけたこと」

靴箱から教室に行くまでの間にこけかけたのは事実だ。
もしかして見られてたのかな。
それだと少し恥ずかしいな。

「現国の教科書を忘れて困ったこと。
今日のお弁当は、昨日の晩御飯の残りの肉じゃが……」

よく知って……。
あれ?
正臣や園原さんにも言ってないことなのに。

「あと…今日の下着の色は水いr、むぐ」
「青葉君!?」

慌てて青葉君の口を塞ぐ。
青葉君が僕の手の間から不思議そうに聞く。

「どうしたんですか? 竜ヶ峰先輩? 俺、よく知ってるでしょ?」
「いや……」
「………」

僕が恥ずかしいって!!
ほら、園原さんまで照れてるし……。
何だかプライベートまで筒抜けになっている気がするんだけど。

僕の可愛い後輩は、何だか色々と詳しかったです。


-END-
青葉は絶対、臨也と同じにおいがする(笑)

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