帝人受け

□帝人君と愉快な変人達
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「って、正臣どうしたの!? 急に踞って。
 手に血がついてるけどっ……。僕、まだボールペンで刺してないよ」
「心配しときながらも刺すことは決定してるとこが侮れないなぁ……。
 いいだろう。帝人、俺にもボールペン刺してくれ」

「あ、復活した」

「俺は帝人が看病してくれるのならどんな痛みにも耐えられる!!
 ナース服で看病ならベストだな。女子マネ風でもいいけど、女医さん風でもいいなぁ。ギャップ萌……」

「刺すよ?」

「先輩! 僕からじゃないんですか!?
あんな変態な先輩より、早く僕を刺して下さいよぉ!!」
「君は黙っててくれる?」
(君の方がよっぽど変態だから…)
「はい!!」


たまたま通りがかって現場を発見した園原杏里。

「竜ヶ峰君が絡まれている……」

助けようと決意した杏里は、いつの日かの出来事を思い返しながら駆け出した。

「不良に絡まれている、というよりか変態達に付きまとわれているっていう感じだよねー。
 帝人先輩の争奪戦激しいもん」
「幼……(可愛い)」
「だよねー!! 細い腰とか厚い唇とか!!
 奪っちゃう?」
「欲……(欲しい)」

遠くで眺めていた双子は妖しく舌なめずりをした。
杏里が駆けつけた時には、二人は帝人の足元にすがり付いていた。
帝人は困り顔でいるものの、その瞳は下等生物を見つめるような冷たさだった。

「竜ヶ峰君!!」
「あ、園原さん」

帝人はいつもの笑顔で応える。
その直後、自分の足を掴んでいる正臣と青葉の手を足で振り払った。

「行きましょう」
「えっ?」

杏里が帝人の手を引っ張って走りだし、なんとか脱出した。

「……あの二人には負けません」
「何か言った? 園原さん」
「いえ、何でもありません」

天使の微笑みが一番怖い。


-END-
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