帝人受け

□3ッ目の選択肢
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「そうですね!! 帰りましょっか。帝人先輩」

高い可愛らしい声を出し、帝人の腕を引っ張って引き寄せた。
背丈はそれほど変わらない。

「帝人君、俺と帰ろっかー」

臨也が青葉と逆の腕に抱きついた。
両腕は不自由となり、帝人は歩きにくそうにした。

「帝人先輩、歩きにくいですよね? ウザヤ先輩、その手離せよ」
「本当に豹変しすぎ。君こそ手離しなよ」
「ここは青帝ですよ! 負け犬は失せろ」
「流れ的に臨帝でしょ」

またもや論争が始まり、とうとう帝人が口を開いた。

「そ、そんなワード言わないで下さい。
 それと二人とも手を離して下さい」

そして、結果的に帝人が二人のうちどっちかを選んで一緒に帰ることとなり、冒頭にいたる。

「セクシーなのと〜」
「キュートなの〜」
「「どっちが好きなの〜?」」

膝まづいて手を差し出している二人を交互に見た。
二人の顔は真剣そのもの。
帝人は小さな溜め息をつき、二人の元へと歩んだ。
臨也と青葉はかつてない緊張感に縛られた。
そして……。
唾をゴクリと飲み込む。

帝人は細くて長い、綺麗な手を二人の王子様の掌にあずけ……。

「一緒に帰りましょう?」

夕立に負けないぐらいの輝いた笑顔でそう言った。
暫く驚いた様子だった二人が、共に安堵した表情で笑った。

「流石、帝人先輩には敵いませんね」
「その発想はなかったよ」
「「えぇ、帰りましょう」」

暖かいその手を握り返した。


――二人とも歪み合ってるけど、僕にとっては大切な二人だから。
 だから、もう少しこのままいさせて?


-END-
悪ふざけで書いてるうちに楽しくなってしまった。
こうして見ると、短くまとめたのに長いです(汗)
火種サンドって言うらしいですね、楽しいなー。
閲覧ありがとうございました。
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