帝人受け

□アイス
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「帝人君が苺! 似合うねぇ。もともと童顔だけどより幼く見えるよ」
「うー気にしてるんだから……」

僕が選んだのは、一番人気だった苺味でコーン型のソフトクリーム。
どっかの三十何番かのお店みたいな客寄せインパクトのアイスはなかった。
そのかわり安くて美味しいらしい。

「どんな味がするの」
「臨也さんも買えばよかったじゃないですか」
「帝人君が奢ってくれたらね」
「それじゃあ僕が奢ってもらった意味ないじゃないですかぁ」

それに奢りとは言え、もらったんだから大切に食べたい。

「じゃあ、強奪する」
「あっ、ダメですよぉ」

臨也さんが隣から下を出しアイスを食べようとした。
けれども、アイスとの距離があと少しのところを阻止した。
臨也さんの口に手でガードをした。
そしたら指を食べられた!
何だかこしょばゆい。

「い、臨也さん!? ちょ、離してください」
「んー」

恥ずかしい。
取れないし。
臨也さんが僕の手を指差す。
アイスを持っている手を見たら、大変な目になってた。
溶けて今にも落ちそうだ。
舌を伸ばして垂れたアイスを舐めとる。
必死にコーンに噛り付いた。
いつの間にか指も解放されてた。

「帝人君?」
「ふぁい」

呼ばれたから振り向いた。
そしたら臨也さんに笑われた。

「ぷっ。鼻についてるよ」

アイスが鼻の頭についていたらしい。

「もう、いきなり呼ぶからですよ!」

ティッシュ持ってたかな……。
目の前が暗くなった。
ふわりと良い香りに覆われた。
鼻に温かい感触がした。
唇にも何かが触れた。

「うん。苺味だね」


-END-
力尽きました…すいません。
苺味のアイスのベタな展開を目指しましたけど、難しいですね!
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