帝人受け
□特別な兼用カップ
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服の上からでも分かる美貌を放つ矢霧波江は事務所の扉を開けた。
ちょうど、臨也が姿見の前で身だしなみをしていた。
いつもの嫌味な笑みで挨拶をされる。
「おはよう」
「あら?出掛けるの?」
雇い主に笑顔も挨拶も返さず、淡々と聞く波江。
今日は11時にお得意さんが来る予定だ。
「ちょっとね。すぐ帰ってくるし、留守番頼むよ。波江さん」
「言われなくても分かってるわ」
「そう。じゃあよろしくねー」
と言い浮き足だって出て行った。
雇い主を送り出した波江は、臨也の行く場所なんてさほど興味がない、と与えられた仕事に取り掛かった。
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