帝人受け

□君の寝顔も好き
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「よし、これで終了っと。帝人くーん」

呼びかけてみるも返事はない。
様子を見に行ってみると、二人掛けのソファーに気を使うように横になって眠っていた。
黒い革のソファーに青い色の制服が映える。
待ちくたびれたのだろうか。手は携帯を持ったままの状態だ。

「なんだ、寝てたのか」

帝人は学校帰りに臨也のもとを訪ねたが、臨也に急ぎの仕事が入ってしまい、終わるまで待ってもらうことにしたのだ。
こんな時に仕事を依頼した人物に悪態をついたのは言うまでもない。

臨也はすやすやと眠っている帝人を覗き込んだ。
浅く一定のリズムで呼吸をしている。
ふと、白いふっくらとした頬に目がついた。
指先でつつーっと撫でてみると、滑らかな肌で触り心地が良かった。
帝人はぴくりと動いて僅かに眉をひそめた。

「みーかーどーくーん、起きてよ」

つんつんと柔らかい頬をつついた。
すると、帝人はふにゃっと笑った顔になった。
それを見て、臨也の頬も緩む。

「かわいいなぁ」

臨也は帝人の反応が面白くて、今度は軽く頬をつまんでみた。
案の定、一瞬痛そうな顔をした。
ころころと変わる寝顔を見て、喉の奥で笑った。

「本当に帝人君は見てて飽きないねぇ」

その眼差しは情愛に満ちていた。
いまだ夢の中にいる帝人に自分の上着をかけてやる。
最後に唇にキスを一つ落とし、静かに離れた。
愛する人の幸せそうな顔だけを残してーー。


数十分後、心地良い眠りから目覚めた帝人は臨也に対し、なんで起こしてくれなかったんですか、と頬を膨らませて文句を垂れた。
臨也は悪びれた様子もなく笑って答えた。
なぜならそれは――。


-END-
題名『君の寝顔も好き』
帝人君の頬を全力でぷよぷよつつき隊

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