friend -フレンド-


□白い君
1ページ/7ページ


「気をつけて帰るようにな」

「「さようなら」」



放課後
俺は鞄を手にして、教材を入れ込んだ。



「純人!」

「ぉ、花蓮。」

「一緒に帰ろ!」

「部活ないのか?」

「うん。今日はお休みー」

「ん、じゃあ行こ」



俺や花蓮が部活がない日は、こうしていつも二人で帰っている。

俺はこの瞬間が幸せ。

想いを告げられなくても、
花蓮が隣りに居て笑ってくれているだけで…



「…純人??」

「ぇ……な、に?」

「どうしたの、すごいぼーっとしてた。」



そう顔を覗き込んでくる花蓮。

俺の頭の中はプチパニック

慌てて顔を突き放した。



「な、なんでもなっい…」

「うわ。動揺しまくり!」

「っ…」

「純也変なの〜」



そうか
いつも俺を真っ赤にして
焦らせて
緊張させているのは

無自覚だったんだ。

花蓮にとっては普通の事。

"友達"だから、当然の事。

気付いてしまったら、心の中がどんどん君に満ちていく。

ごめん、花蓮

君は俺の事を"良き友達"と思ってるかもしれないけど

俺はもう、"友達"として君を見れない程
君に堕ちてしまっているかもしれない…――
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ