連載小説
□日×雛S.S 第一話
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「私は貴方様こんなところまでお越しいただけたことに感謝いたしております」
深々と頭を下げてきた
その様子にすっかりペースを崩されてしまった桃に追い打ちをかけるかのように
「もし私めの言葉によって貴方様の気分を害してしまったのであれば私は……」
すっと差し出されたのはなんだか懐かしい気がするがただの日本刀で
桃はさらに分からなくなってくる
「あの…」
「どうぞ私を処分なさってください」
「………は?」
いやいやいや可笑しいでしょ?
ちょっとむくれただけで日本刀で腹掻っ捌いてください!って
「ちょ、ちょっと待ってよ!いくらなんでもそこまでしなくっていいってば!」
冬獅郎は土下座していたため桃には見えなかっただろうが冬獅郎はにやりと妖しく笑って
桃の両手を握り先程の笑みとは真逆のきらきらとした笑顔をむけて言う
「なんとお優しい!私めに情けをかけてくださるというのですか?」
「いや、だから!ちょっと機嫌悪くしただけでそこまでしなくてもいいって言っただけで……」
「でしたら私は貴方様のご期待に答えられるように精一杯努力してまいります」
こうして冬獅郎と桃の新たな物語が始まった…
11.4.22