連載小説
□日雛S.S第二話
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桃はいきなり名前を呼ばれびくりと震えた
その姿を見て乱菊は恋次にラリアットをかまして隅に連れてきて小声で話した
「いててて何すか?いきなり…」
「馬鹿!雛森は覚えてないんだから刺激するんじゃないの!冬獅郎に言われたでしょ?」
ついさっきまで自分も忘れてたくせにという言葉はおいといて
恋次は軽く了解とだけ伝え桃たちのところに戻る
「あぁ…俺の名前は阿散井恋次だ!よろしくな」
「あ、はい雛森桃ですよろしくお願いいたします」
「そんなに畏まるなよ!もっとラクに話そうぜ?俺たち同期なんだし」
「えぇ!?阿散井くん高校生なんですか?」
その言葉に乱菊はげらげらと笑いだした
「そうよね!ヤクザか作業員よね!」
「ちょ、乱菊さんまでうちは呉服店を経営してるんですよ!」
「でもお前には呉服店経営者よりも案外似合ってるのかもしれないぜ?」
「ちょ、冬獅郎さんまで……」
冬獅郎と乱菊とのやりあいに付き合いきれなくなったのか恋次はこほんと咳払いをして
「とにかく俺とお前は同期なんだそんなに畏まらなくていい!」
桃は先ほどの3人のやりとりで恋次の人柄を察することができたので大きく頷き
「うん!これからよろしくね!阿散井くん」