連載小説
□日雛S.S第二話
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「にしても荷物少ないな」
「そぅかな?まぁ最低限必要そうなものだけ持ってきただけだからかもしれないけど…」
「よしそんくらいなら俺が上まで持ってってやるよ」
「本当!?ありがとう阿散井くん」
「も、桃様?」
冬獅郎の声も空しく桃は恋次とともにエレベーターに行ってしまった
「あんたねぇあんな妙な態度取られたら引くに決まってるわよ?」
「うっせーぞ、松本。俺は桃に昔のことを思い出してほしくないんだ…」
「みんな同じよ、私だって雛森にはあんなこと思い出してほしくない。でもあの言葉づかいはないわよ?」
「……俺が普段話してる言葉を使えるわけねぇだろ?」
「あ〜ら、さっき私たちに使ってた言葉はどんなんだったかしら?」
乱菊は冬獅郎の窘めるように言った
「仕方ねぇだろ、もぅ癖になっちまってるんだ」
「私たちよりも雛森とのが長い癖に」
「昔じゃねぇよ、現世での話だ」
「あぁそっち?まぁそりゃそうだけど雛森は昔の態度のほうが嬉しいと思うけどなぁ〜」
ちらっと冬獅郎を見たが冬獅郎はそんな仕草に何もこず
逆に目を伏せて
「桃の一番はあいつだ、でも俺という存在もあいつを思い出させるカギになっちまうのは明白だ………だから」
「はいはい、分かりました隊長がそこまで言うなら私は従うのみです」
「松本……」
「現世だろうと尊敬する存在であることに変わりありませんからね?」
冬獅郎は乱菊の急な敬語に驚きはしたがさっきの笑みにこいつの変わらなさを感じて
「頼むぞ、松本」
「了解」