殺つり人形
□疑劇
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ユラに用意してもらった服を纏って、ノアはアークエンドから一番近い港町「チルド」までテックに飛行船で送ってもらった。
ちなみに、カツラと面は付けていない。
付けているのは、アースが作った眼帯だけだ。
この、目立つ銀髪と眼帯についてはいくらでもごまかせる。
それに、髪の方は以前のように緩くまとめてフードを被っている。
目立つ要素はそんなに無いだろう。
港町「チルド」に降り立つと何かが起こったらしく、町民は1一人もノアの出現に気付かなかった。
飛行船は雲の上を飛んでいた事と偶然の出来事が町民の気を引いていたためだろう。
それでも、用心して気配を消して町の路地から慎重に現れたノアは全く気付かれない事に拍子抜けしてしまう。
『呆気ないな・・・』
路地裏の影から港を伺う。
そこには、だいぶ前に見たツンツンと跳ねている髪が特徴的な少年と2人少女が。
見たところこの騒ぎは彼らが関わっているらしい。
それに、町民らしき老人と一緒にうっすらと影が見えるアークエンドを見つめている辺りがシリアス感を出している。
そこに、ノアは路地の影から出て遠慮したような声でマクモに声をかけた。
『あの・・・マクモさん・・・?』
バッと勢いよく振り向いたマクモは視界にノアをとらえてパアァァと目を光らせた。
「ノア!!??」