殺つり人形

□疑劇
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『久しぶりですね。』

「どこ行ってたんだよ、ノア!!
シェルトで会えねぇし、キリクはどっか行っちまうし。
大変だったんだぞ!!」

マクモがノアに詰め寄って言う。

それを軽く受け流してノアは形だけの謝罪を口にする。

『すみません。
一応、シェルトには向かったんですけど到着した時には全て終わっていたようで・・・
復興作業をしてました。』

すみません・・・と最後にまた付け加えた。

『「「ところで・・・」」』

同時に3人が口に出した疑問。

『そのお二人は?』

「あなた、誰?」

「どちら様ですか?」

上からノア、エニメニ、フェイ。

『「「あ・・・」」』

またしても、ハモる。

少しの譲り合い。
それから、マクモの紹介でノアが自己紹介する事になった。

「コイツは、ノア!
オレたちと同じ天選で・・・」

チラっとノアを見る。
どうやら覚えてないらしい。

『操り人形師です。』

「で、前にジェノスの12死徒に列車で戦った時に助けてくれたんだ!
あと、ノアは怪我の治療が上手いんだぜ!」

『初めまして。ノアです。よろしくお願いします。』

ペコリと頭を下げてから柔らかく微笑む。

これで彼女らの警戒心は取れたらしく和やかな雰囲気で彼女たちも自己紹介し始める。

「私は、エニメニ。大工の天選よ。こっちが・・・」

「フェイです。占いの天選です。こちらこそ、よろしくお願いします。」

フェイの自己紹介が終わるとマクモが喋りだす。

「なぁ、ノアどうしたんだよ?
その、姿。」

一瞬、何を言われたのか分からなくなるがマクモの視線が自分の首から上に行っている事で言いたい事が分かった。

「「その、姿」って?」

初対面のエニメニとフェイは頭に疑問符を浮かべる。

『・・・・今の僕の格好の事は、此処に着く前の事から話さなくてはいけないんですが・・・』

無言で3人が頷くのを見るとノアは語りだした。
此処に来るまでの「嘘」の道のりを。
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