殺つり人形
□疑劇
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『僕は、シェルトでの被害を目撃してから仕事仲間たちとの情報網を駆使して徹底的に「ジェノス」について調べました。』
悔しそうにに俯いて呟くように言う。
『僕も、シェルトを壊滅寸前にまで酷い事をしたジェノスが許せなかったんです。』
心中では、そんなこと少しも思いもしないが。
『仕事仲間からのサポートを受けつつ僕はジェノスに関する事件があった町や村を調べて回りました。
・・・・・いくつか町を回った時のことでした。
どこからか僕が調べて回っているのをジェノスに気付かれました。
・・・・幸い僕が天選、しかも一回だけ勧誘した事がある相手だとは分からなかったようで幹部クラスの天選の人とは戦わずにすみました。
何回か戦ってある町に付いた時に数百人のジェノスの組織の者に一斉攻撃を仕掛けられたんです。
ジェノス側も僕が簡単には倒せない相手であると分かってくる頃だと思って、何か仕掛けてくるとは思っていました。
天選ではありませんでしたが、殺人を仕事としている方が一斉に攻撃してくるとは思ってもいませんでした。
それで、油断していた僕はこの様です。』
眼帯の付いた左目を苦笑しながら撫でた。
「なっ!大丈夫だったのかノア!!」
『はい、この通り。
僕も数十人を一斉に攻撃して、相手がひるんだ隙に逃げました。』
ふぅ、と話を聞いていた3人が安堵のため息をついた。
『左目の失明。という大きな痛手を受けましたが、僕はその代わりにジェノスの本部が「冒険の国イレギュラーズ」にあるという確証のある情報を手に入れる事が出来ました。
僕はその情報を元にイレギュラーズを調べて周り、この港町に付いたのがつい先程です。』
いかにも苦労したというふうに溜息をついて「もう、見つからないと思いました・・・」と付け加えた。
「それで、ここにノアさんが・・・」
フェイが納得したと頷く。
『・・・・・何とかここまでこれたのは仕事仲間達のサポートのおかげです。
彼らも僕の所為で危険な目に成りつつあります。
仕事仲間のみんなはそれを承知で僕を助けてくれていましたが、これ以上彼らを危険な目に出来ません。
・・・・・・・・だから、僕を仲間に入れてくれませんか?』
マクモ達はもう答えは決まっているそれぞれの顔を見合わせた。
「ノア、オレ達はもう仲間だろ!!」
「そうよ!一緒に戦いましょう!!」
「ノアさん。改めてよろしくお願いします!」