殺つり人形

□喜劇
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ここは、とある田舎町。

「お〜い、バイト!始めていいぞ!」

『じゃ、始めまーす。』

ガタガタと舞台をセッティングしてから集まった人々に呼び掛ける。

『さて・・・お集まりの皆さん。これから始めるのは、ある有名な伝説を操り人形劇にした物語です。無料上劇ですので、どうぞ最後までご覧ください。』

イスカに帽子・・・「ワイルド・キャップ」
をマクモは渡してから、キリクと合流した。

合流してからマクモは人ごみの中から聞こえて来る声を聞いて立ち止まった。


「お〜い、キリク!なんかやるみたいだぞ!
無料らしいし見て行こうぜ!」

「え!?ちょ、マクモ!
・・・ハァーー」

頭を抱えるキリクを強引に人ごみに入っていく。

「イイじゃねーか。まだ列車来ないしよー
ヒマ潰しと思ってみて行こうぜキリク!」

「もう良いよ・・・ボクは、キミを止める事を最初から諦めてるからね。」

「そうそう、人生諦めが肝心だぜ!」

「ボクは、もう突っ込む気力もないよ・・・」

『・・・それでは、開幕。

・・・昔々それは昔。まだこの世界に「アルトリエ」と言う名前がついて間もないころの話。

『手』人間の生活必需品を作り出す。最も原始的な道具。

特に一つの分野を極めた職人たちの持つ手は

人々のあらゆる願望を形にしてきた。

中でも、”神の手”を持つと崇められた

『天選』の存在は、今も伝説として

この世界に語り継がれている。

これは、『天選』と呼ばれる職人たちのお話。』



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『――そして、4人の『天選』の職人たちの壮大な冒険は幕を閉じたのであった。』

語り終えると、使っていた4体の人形を操り
ペコリと一緒にお辞儀をした。

パチパチパチ

と子供を中心として小さな拍手が起こる。

『はい。では、今回お借りした人形とその他もろもろは、隣の「バージング玩具専門店」で売っております。お買い求めは、そちらで。』

言い終わると子供が親にねだりながらその場を後にした。

「おー、バイト。良かったぞ。またこの街に来た時やってくれー。」

『良いけど。2回目は高いですよ?』

「そんときは、値切るから覚悟しとけよ?」

豪快に笑い、人形などを持って「バージング玩具専門店」の店主バージング氏が店に戻って行った。

もう、その場には自分しか思ったその時そいつは居た。

「・・・ほら、マクモ終わったから行こうよ。もう列車の時間だし。」

「・・・・・・げぇ」

「はぁ?マクモ?」

「ッ!すっげぇぇぇぇぇ!」

マクモが言いながらこちらを見て走ってくる。

『Σ!!??うわぁ!!』

「ッ〜〜〜!お前すげぇな!
人形が生きてるみたいだったぜ!!」

目を輝かせながら詰め寄ってくるマクモに
若干(かなり)引く。

「はぁ・・・」

本日2回目の溜息をついてからキリクが止めに入る。

「マクモ、やめなよ。彼が驚いてる。」

「え?あぁ・・・悪かった。」

苦笑いで話してみる。

『ありがとうございます。
・・・こんなに熱狂的に褒めてくれる人が初めてだったからちょっと驚きましたけど。』

「そうなのか?人形もすごかったけどやっぱりストーリーがよかったなぁ〜」

『それは良かったです。みんなが知ってる伝説をもとに作った話なんですよ。』

「なあなあ!『天選』って本当に居ると思うか?」

「ちょ、マクモ!何言って・・・」

「いいじゃねーかキリク!」

そして、マクモはキラキラした目でこちらを見つめてくる。

・・・これは、どうゆう返答を期待してるのか?下手に答えると五月蠅そうだしな・・・

・・・では、答えは1つだ!

『う〜ん。居てもいいんじゃないですか。』

答え:曖昧に言っとく。

「えーーー」

答えに不満なのか唇を尖らせる。

「・・・でもなー本当は居るらしいんだよな〜仕立屋の『天選』とかパティシエの『天選』とかな〜」

「って!マクモ!何話しちゃってんの!
・・・・・・・こいつ、ちょっと妄想壁があって。」


あ、こいつ嘘下手だ。

めちゃくちゃ、わざとらしい。

しかも、墓穴掘った上にフォローになってねーし。

・・・・・・あー分かった。
こいつらだ。俺らの邪魔して回ってる『天選』。
でも、クオリが前言ってたのは、デリカでの奴一人って・・・なんか増えてるし。
まぁ、どっかで同じ『天選』の奴を見つけて仲間に付けたって落ちだろ。
弱い奴、1人も2人も同じか。

「おい?聞いてるか?」

『あ、ごめん少しボーっとしてました。
えーと、キミが言いたいのはようするに自分達が『天選』か、知り合いが『天選』ってことですか?』

「「Σ!!!!????」」

おい、動揺しすぎだろw

「な、何で分かった!!
もしや、ジェノスの・・・」

「あ!、馬鹿ッマクモ!」

あ、やっぱり『天選』なんだ。
しかも、やっぱり邪魔してくる奴。

『えーと
話が見えないんですけど・・・』

知らないふりをしておく。
だって、今は面倒事ヤダし。

「あぁ、ごめん。忘れて。
マクモは妄想壁があるから。」

『とにかく、僕は次の町に行くから汽車に乗んなきゃいけないんです。』

ポケットから懐中時計を取りだしてアピールする。

「俺たちも乗るんだ!一緒に行こうぜ!
良いよなキリク?」

「いいけど・・・」

「じゃぁ、一緒に行こうぜ!俺はマクモ。
こっちがキリク。」

『僕はノア、です。』
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