殺つり人形

□怒劇
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私用で仕事を中断することはできない。

なので、俺は居なくても別に構わない役(見回り)でもちゃんと仕事はする。

ちゃんと仕事をしてる。(重要な事なので2回言った)

俺はウワラが石碑に磔になっているのを見守っている。

仕事は見回りだし、殺されないと思うし。

万が一、殺されそうになったら助けてあげよう。

万が一も何もないんだけどね。
彼らのような子供は殺しなんて出来そうにないし。


こうしている間もクオリの場所を教えろだのと押し問答。

どちらも引かないのできりがない。

見ている間に気付いたがあのピンクのポニーテイルの子は確かバベルの塔にいた子。

なるほど、だからクオリの居場所か。

そんなに、友達が大切なのか。
美しい友情だね、反吐が出るくらい。
当のクオリは嫌がりそうだけど。

エニメニがウワラがクオリの居場所を言わないと判断したようで、二人は移動するようだ。

と・・・不意に去りかけたエニメニが振り返る。

見つかった?
そんなわけない。
絶対にあの位置からは見つからないし。
気配も消した。

・・・・・何かデジャウ。


エニメニが見つめてる方向に目を凝らすとミストが。

俺よりもエニメニ達に数メートル近い場所に居た。


マクモとエニメニは別れて行くみたいだ。
マクモは走り去って、エニメニは身構えて辺りを探りながら歩く。

俺は見つからない自信があるがミストには無いらしい。音をたてないように林の暗がりに消えた。

しばらくするとエニメニも居なくなってしまった。
此処数メートルにいるのは自分とウワラだけ。

それでも、用心して持ってきていたカタナを帯刀して気配を消し、物音も最小限にする。
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