殺つり人形

□操劇
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数時間の航海の末、ついにアークエンドについた。

船を浅瀬に着けて島に上陸する。

「とうとう着いたな。
ここが・・・・・・・アークエンドか!!」

マクモたち、3人は切り立った草木も生えない山を険しい表情で見つめる。

ノアはマクモ達から一歩後ろに下がった離れた位置でマクモ達を含めた景色を見ていた。


アークエンドの中心部にあるひときわ大きくて険しい山の地下から山の内部にわたってジェノスの本部がある。
本部の出入り口は数個あり、どれも隠されている。

そんな情報をノアはマクモ達に話す訳もなく。

マクモ達は無難に島の中心――ジェノスの本部がある山に向かって進んでいた。

その山の手前には百にも上る、墓石がある。

墓石の中身は、使えない死体を火葬して供養している。
何故そんな事をしているかといううとボスであるゴット・エンバーの方針であるから。としか言えない。

話がずれたが、島の中心の山に向かうには必然的に墓石の間を通る事になる。

「うへー・・・
墓だらけだ。」

「想像以上に隠気なところね。」

マクモとエニメニが墓石だらけの周りを見回して言った。

「さてと!!
これからジェノス本部を探すわけだが・・・・・・・
ゴン、お前どうする?」

「え?」

ゴンが聞き返す。

「こっからは、何が起きるかわかんねぇ。
じいさんと町に戻っててもいいんだぜ?」

「・・・・・・
いや・・・オレも行くよ。」

ゴンがまだ迷っているように言った。

「新しい体で死人が生き返るって話・・・
ちょっと興味あるんだ。」

「そっか。
そういやゴンは元研究者だったな。」

納得したと頷く。

「それじゃしっかりオレたちにくっついてろよ!!」

「おう!!守ってくれ。」

その時、墓石に向かって跪く。

「おおお・・・・・・・」

「どうした、じいさん!?」

マクモが驚いて声をかける。

「墓に・・・海で消息を絶った仲間の名が!!
やはり・・・とうに死んでおったのか・・・」

うう・・・と呻いて老人は涙をこらえた。

「じいさん・・・」

マクモは、なんと声をかけたらいいのか分からないようだ。

『・・・・・・・それはご愁傷様です。』

その時、小さく墓石が動くとズズズ・・・と音がして墓の蓋がずれて中から死体が出てくる。

「あ・・・・・・」

4人と一匹は唖然と固まる。
もちろん、顔は真っ青に青ざめていて引きつっている。

ただ一人、ノアは「あ、忘れてた。」ぐらいには死体が動いたのに驚いてた。

「「「「「ギャアアアア〜〜〜出たあああぁぁ」」」」」

死体は一番近くにいた老人の服を掴む。

「ひいっ!!」

掴むと墓の中に引きずり込む。

「うわあトム、やめてくれぇ!!
わしゃこんな”お迎え”は嫌じゃあぁ!!」

「うおお!!
つかまれ、じいさん!!」

マクモが老人の両手を掴むと墓から引きずり出す。

すると、老人を掴んでいる死体が頭に刺さっていたナイフを引き抜いて老人の背後から襲う。

それに気づいたエニメニが死体の腕を両手で押さえる。

「危ないっ!!
マクモ!!早くおじいさんを向こうへ・・・・・・」

しかし、エニメニのバカ力に腐って白骨化した死体の腕は耐えられなかった。
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