モノクロガール
□塔の中、2人の名無し
1ページ/9ページ
「―――なぁ、お前名前は?」
木の上から身を乗り出して彼が聞く。
『僕?・・・名前なんて立派な物貰えなかったよ。でも・・・僕の事をみんな≪へやばんごう1092(イチマルキュウニイ)≫って呼ぶよ。』
「じゃぁ、俺ら同じだな。」
『何が?』
「俺にも名が無い。」
『ふ〜ん。さっきの「ユウ」は名前じゃないの?』
「それは、実験体名だ。他に名乗るも名が無いからそう名乗ってる。」
『じゃあ、一緒だね。』
「あぁ。」
『僕、前ね。ここで最近「しつちょう」ってのになったコムイって人から聞いたんだ。』
「・・・」
『名前はね、自分を産んでくれて愛してくれる人から付けてもらう物なんだって。』
「じゃぁ、俺ら一生名無しだな。」
『そうだよ、僕らは一生名無しだよ。』
―――――僕らは、本当の名前をもらえなった名無しだね。―――――
『・・・・・・・それでね、―――――』
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
****************************************