長編(ゾロ寄り)

□そのM
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一味は目を疑った。







一瞬だった。







ほんの一瞬で。






男の乗っていた船とメリー号以外。



全てが

壊滅した。


















陽が沈む。


薄紫の夕日の中で


一人の少女が


真っ赤な衣装に身を包み。




『ギャハハハハハハハハ!!!!』

狂ったように笑う。



金の瞳が薄い闇に際立って


異様な光景が広がっていた。


唖然と立ちすくむ。

















「誰だ?ユイか?」


別人。明らかに違う。



「まさか…これ、が…
ユイちゃんの秘密…」



サンジがおもむろに口を開く。



「ユイじゃ…な…い?」



チョッパーの声は震えていた。








「素晴らしい!!」



男が感嘆に似た声を上げる。



「再び歓迎する。
帰りたまえ。
正義の名の下に!!」



『アハハ!!黙れよ。
今凄く気分がいいんだから。』



くるりと顔だけ男に向ける。



右目に金色の瞳


左目に眼帯をしている。



『邪魔すると殺すよ』





笑っているが冷えきった笑顔。



冗談でもなく。



本当に殺されかねない。



ユイが握る剣から滴り落
ちる血が生々しく。

そう感じさせる。



「あなた。今 正義って言ったわね。
海軍が何の目的かしら?」





ロビンが睨む。




「いけないな。口が滑ったよ。
まぁいいけど。
この子は軍の兵器さ。
表では秘密だけど。」



一味を見る。


男。


肩にばさりと正義の上着を掲げる。








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