one's first love.

□TWO.
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―会議室―


「部長は俺、幸村が。副部長は真田でやっていく。異論はないね?」

幸村がテニス部員を集め、新メンバーでミーティングを行った。

前には幸村、真田が立ち、話を進めている。

「異論なんてねーッスよ」

赤也が面倒臭さそうに答えた。

他も同意見のように口をつぐんでいる。

それを見て

「それじゃあ、俺からは何もないよ。皆 やることは分かってると思うから」

静かに幸村はそう言った。

「真田は何か言うことあるかい?」

「・・・・・・。」

集中せねばと思う程
今日の転校生が頭の中にちらつく。

「…真田?」

そんな変な気持ちが何なのか分からず、少しイライラしていた。

「真田!!」

「ん…?あぁ…幸村。」

「どうかしたかい?」

「いや、すまない。何でもない。」

「なら、一言。頼むよ」

「あぁ」

そして一つ咳ばらいをし、

「我が立海は三連覇を成し遂げる。それだけだ」

そう語った。

(そうだ。俺は何を考えている…)

テニスに専念せねばなるまい。

余計な事を考える暇などないのだ。

そう自分を納得させた。










「練習メニューは部室に貼って置くから各自見るようにしてくれ。それじゃあ。今日はこれで解散。」

幸村が最後を締めくくると部員達はバラバラと出て行った

散らばっていく部員の中で幸村は真田を止めた。

「真田」

「何だ?幸村」

「絶対…勝とう。」

「あぁ。」








「幸村!!真田!!今からレギュラーで赤也の宿題を見るんじゃが…くるかのぅ?」

仁王がドアの隙間から顔を出して言った。

そして含み笑いで赤也をちらりと見た。

「ちょっ!!仁王先輩!!何で部長達まで呼ぶんッスか(泣)」

「春休みの宿題をやってないお前が悪いだろぃ」

「それじゃ、俺達も行こうかな」

赤也は懲りないなぁ。

そう言いながら幸村は指を鳴らした。

「うむ」

真田も同じように首をコキリと鳴らして帽子を被った。

幸村の黒い笑いと真田の威圧が赤也の背筋を凍らせた。










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