one's first love.

□SIX.
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新学期早々、真田の異変に気が付いたのは柳生であった。

最初は疑ったが、自分でその光景を目にしてすぐに分かった。

ある女性を見ると、赤くなったり焦ったり。

ましてや話すともなるとガチガチに固まってしまう。

そして、それを隠すように睨んでしまい逆効果に彼女を怖がらせた。

空回りしていた。

恋愛音痴にも程があった。

普段のあの厳格な堅物が何処へやら…

弦一郎の性格上、嘘がつけない。

そのように育ってきた以上、態度がバレバレである。

自分でさえも気づかない鈍感さも持ち合わせている。

それだけならまだしも、加えて厄介なのが彼女である。

真田と同じく、いやそれ以上に鈍感である。

プラス 天然というおまけ付きであった。

新学期に入って5日。

見る限り進展なし。

真田の恋愛成功確率…0%

しかし、興味深いことも多々ある。

今度の展開に目を光らせておこうと思う。



別冊 丸秘 柳ノート 真田データ


足音と同時にノートをパタンと閉じた。


「蓮二、「データ収集か?」とお前は問う…」

「当たったようだな」

柳は満足そうに微笑んだ。

「終わったのか?」

「あぁ…一通りまとめた所だ」

(お前のデータをな…)

休み時間にやってきた真田を机から見上げた。






















精市は何を考えているのか、彼女をテニス部に誘ったのはついこの間。

マネージャーとして機能するのかまだ検討しきれない段階での勧誘はどうかと思ったが、それなりの考えがありそうだったから話に乗った。

実際、精市の目は正しかった。

見た目はのろそう(失礼)だったが、予想以上の機能ぶりに興味が湧くほどだった。

それにしても弦一郎。

平然を装っているが、その態度はないと思うぞ。

普通の奴なら気付いてしまうだろう。

彼女だからまだいいが。

いや、もう大体の奴らは気付いているだろう。
まだ分かってないのは彼女と赤也ぐらいなものだ。

俺がとやかく言うのもなんだろうから黙っておくことにしたかったがそうもいかない。

黙って見守ろう。

これほど面白いことはめったにない。

成り行きを見守りながら、データ―を集めようか。

そうゆうことにした。

(さあ、部活の時間だ。)

柳は授業の道具を片付け、いつものノートを片手に教室を出た。




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