one's first love.

□FIVE.
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「おーい。マネージャーさーん。タオルー」

「はーい!!」

「***先輩。水下さーい!!」

「ちょっと待ってね。赤也くん!!」

「マネージャー!!」

「はいはいはーい!!」



思った以上に大変な仕事に***は目が回る思いだった。
集中していたせいもあっていつの間にか辺りが真っ暗になっている事にも気がつかずにいた。

「今日はこれでお終い!!各自片付けたら解散していいよ」

幸村の声で顔を上げた時、やっと暗さに気付いた。
橙色や薄い紫色、そして群青色へと空が変わり始めていた。
カラスの声も聞こえた。

『うわ…もうこんなに?』

自分の集中力と周りの集中力に驚いた。

「お疲れ様。どうだった?」

幸村が***からタオルを受け取りながら声をかけた。

『幸村君。忙しかったけど、充実してた気がする。』

多分…。と付け足した。

「それは良かった。俺も君を誘って良かったよ。部活に集中できたし。これからもお願いするよ。」

『うん。』

始めての仕事にしてはまあまあだったかな?

そんな事を思いつつも素直に返事をしていた。
無理やり連れて来られたけど、今はそれに感謝さえもしていたからだ。

皆、次々に着替えて部室を出て行った。
レギュラーも帰る準備をし始めていた。

「***。暗いから送って行ってやるぜぃ?」

『丸…ブン太くん。』

「丸井先輩だけじゃ危ないっすよ。俺が送りますよ。先輩。」

「いやいやいや。***。赤也ほど危ない奴はおらんぜよ。俺にしときなされ。」

『ちょっと…。』

幸村はまた溜息をついた。

「皆で帰ろうか?」



























『うわーもうこんなに暗い。』

「危ないから気をつけるんだよ」

『うん……ぶっ!!』

言った側から***は何かとぶつかった。

「むっ」

『うー。ごめんなさい。どなたですか?』

「お前は…もう少し前を見ろ」

低い声が聞こえた。

『真田くん?』

そうだと言ってまた歩き出したようだった。

(真田くんっていつもクールだなぁ。)

思いながら歩いた。

「だいじょうぶでしたか?」

この声は柳生くん…。

『大丈夫だよ』

「そうですか。それではここで」

柳生君と雅治は別れ道を行った。
しばらくして皆ちらほらと帰って行った。

「ではな。弦一郎。彼女を送って行くようにな」

「ん?蓮二、もう少し先ではなかったか?」

「いやなに、寄る所があるだけだ」

そう言って真田君と別れてる間際、ちらりと***を見て笑った。

(?)

いや、含み笑い。
楽しいものでも見るような笑い方。

「###も。また、明日」

『うん…。バイバイ』
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