長編(ゾロ寄り)

□そのA
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夢をみた。





夢だとわかる程
懐かしい夢



死んだはずの強い女の子と
世界一を目指して突然姿を消した男の子。


二人はいつだって戦っていて。
そしていつだって地面を拝むのは緑髪の男の子。

それをいつだって眺めて笑っている自分。


愛おしいくて懐かしい…
もう少し…このまま…














うっすらと瞼が開き、外から差し込む眩しい光に顔をしかめる。
あぁ…夢…
分かっていても現実であってほしいと思った。
微かな願い。


馬鹿だな…自分…
あれから何年たっただろう。
会えないと思うと、ひどく会いたくなって。
叶えたい夢があるのに
彼を想うとかすんでしまう。

だけど夢を追いかけていればいつか会えると思い、海に出た。

でも、自分が追いかけたのは結局、夢ではなくて、彼。

苦しくても
辛くても
強くなって
この海を渡り。追う。



ただ…会いたくて
一目見たくて
それだけの理由。

ゾロ…君が聞いたら
飽きれるだろ?

貴方はいつも真っすぐに
あの子との約束を果たそうと高みを目指している

だから、名前も
自分とした約束も覚えられてなくてもいい。

この海で死ぬ前に
一度だけ…
そう願った。
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