長編(ゾロ寄り)

□そのM
1ページ/8ページ












ユイが目を覚ました時はもう夕方だった。

隣にいたはずのゾロは居ない。


ふと時計を見る。



もうすぐ夕食の時間だ。



サンジがご飯を作っている頃だろう。








夜…皆が寝静まった機会を見て船を出ようか…。


今更になって揺らぐ気持ち。


はちきれそうな心臓。


『駄目だなぁ…まだ弱い…』


躊躇っていたら出れそうにない。



今夜が最後だ



今日のこの夜を大切にしよう…

そう思ってドアを開ける。





















ガシャン




ドン









やけにうるさい…音…


『なにやってんだろ?』


どうせいつものルフィのつまみ食いにサンジが怒ってんだろう。

微笑ましくなって甲板に急いだ。


















「ユイ!!!来るなぁ!!!!」



『?』



ゾロが叫んでいる。



そんなにサンジが怒ってんのかな…



とにかくと足を速めた。









シュッ








頬を何かが掠めた。





『え?』




頬を触る。

ヌルリと液体に触れた。

血だ。





「ユイ!!!」


嫌な予感がして走った




『な、んで?』







悲惨な光景だった。


戦っている。


全員がボロボロで…


周りは船で囲まれて逃げ場がない。


血だらけになりながら必死で戦っている。


ゾロも怪我している。


「ユイちゃん!!隠れろ!!」


サンジが叫んだ気がしたが状況が理解出来ない頭。


『な、んで』





ルフィ達も傷ついている。

敵の数もかなり多い。

ゾロもサンジも時間が経てば必ず潰れる。









そんな…





.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ