テニプリ

□恋ストーリーは突然に
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 好きな人?金ちゃんでしょ、アホな財前でしょ、千歳先輩でしょ、小春ちゃんでしょ、バカなユウジでしょ、銀ちゃん先輩でしょ、健ちゃん、謙也でしょ。それから。
 そういう好きじゃないわ。子どもね。
 ……青学に通うお姉ちゃんが一方的に電話をかけてきて、一方的に切ったのはつい昨日の出来事。いつだって気まぐれで高飛車のお姉ちゃんは私のリズムを崩して止まない。


「……あ、白石先輩言うの忘れた」


 もちろん故意的に、と表現した方がいいだろう。部活開始直前の放課後の部室で、私は白石先輩に思いを馳せた。


「おはようさん、菜摘」

「おはよう、白石先輩!でも今は放課後なので、おはようを使うなら完全におそようの時間だね!」

「マシンガントークおおきに……」


 私の言葉にげんなりと肩を落とす白石先輩に対し、私はいつもより釈然としない気分で見つめていた。
 好きな人。正直言えばお姉ちゃんの言いたいことは十二分に理解しているつもりだ。お姉ちゃんはきっと恋なるものを聞いてきたに違いない。その問いに迷った挙げ句、私は友人として先輩として尊敬する人物を片っ端から上げていったのだ。
 ……しかし、その答えに白石先輩が入らなかった。もちろん、お姉ちゃんが途中から切ったので、言えず終いもあるのだが、それでも、やはり言えないだろう固有名詞を見つめたまま。私は少なからず溜め息を吐き出した。そして、いつものように人集りを見せるフェンスの外に目をやる。


「(……大人って、ずるい)」


 それは自分の子どもっぽさを恨んだ故の思惑だった。あそこに居る自分より圧倒的に女性らしい彼女たちは、きっと男の子の視線を受けること間違いないだろう。
 自分の身体を次いで見つめる。無駄な脂肪がなくテニスの試合でも圧倒的な体力で翻弄する、言ってみればカッコいいが、胸はないし背も高くない。
 ……あれ。


「あれ?」

「ん?どないしたんや、菜摘」

「う、ううん、なんでも」


 可笑しい。お姉ちゃんの真似じゃないけど、可笑しさを通り越して愉悦だわ、なんて。
 まるで私が白石先輩のことを。
 ぼっ、と火照り上げた頬に白石先輩の指先が滑る。
 なんや風邪かいな。練習休むか?
 白石先輩の優しさが子どもらしさを孕んだ傷口に塩を塗り込む。


「いーや!今日は銀ちゃん先輩に相手してもらうんだから!」

「そらぁ、また……。無茶だけは、すんなや」


 ニコリと笑みを落とした白石先輩の背中を見つめ、銀ちゃん先輩の元に走り出す。
 本日も快晴。オサムちゃん、部誌は手抜きをさせてもらいます。本当、今日だけ許したって!


――――
殴り書きだから意味不明ですね。

130530

 

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