a key to the secret

□第三五話
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私は日吉がコートに戻るのを確認すると、すぐに仕事へと戻った



…って言っても、各コートの球広いや怪我した人の手当をしたりなんだけど……






ふと自分の手を見て、先程赤也に平手打ちをした事を思い出した














「はぁ〜…、やっちゃったな〜……」















何で引っ叩いちゃったんだろう…


もうあの時は頭にきちゃってて、正気には慣れなかった





もうちょっと大人になれよ、私……















「赤也にこれで完全に嫌われたな…」














はぁ〜…、私の中では凄く好きなキャラだったのにな〜……





最初から嫌われてたのに、あんな事したら余計に嫌われちゃうに決まってるじゃん


もう修復不可能だよね…―














「があぁぁぁぁぁっ!!もう自分の事を思いっきり殴りたいっ!てか誰か殴って!!」



「ほぉ〜…、そうかそんなに殴られたいのか。その望み、俺様が今叶えてやるよ」



「へ…?」













振り返った瞬間、頭に衝撃が走った…―



…と言うのは大袈裟で、跡部様に頭を拳骨された












「痛ぁぁぁぁぁ!!何するんですか、いきなりっ!」



「アーン?お前が殴って欲しいって言ったんじゃねぇか」



「本気な訳ないじゃないですか!か弱い乙女になんて事を…」














殴られた所を擦りながらブツブツと呟いた



本当に手加減ないよね、跡部様って…














「誰がか弱いんだよ、誰が!!…ったく、さっきから呼んでるのに無視しやがって」



「え!そうだったんですか!?すみません、ちょっと考え事してて…」



「はぁ〜…、まぁいい。倉庫にボールを入れる籠がある。それを持って来い。そろそろ練習の終わる時間だ」



「はいっ!分かりました!!」














跡部さんに笑顔で敬礼をし、すぐさまコートを後にした






その時、自分の右手を見つめた


取り敢えず赤也に会ったら謝ろう…




いくら酷い事言われたからって、やっぱり叩くのは良くない事だ














「よしっ!私なら出来る!!頑張れ、私!」














そう言って自分で気合を入れ、走って倉庫へと向かった






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