短編小説
□Happy Birthday!
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「はぁ〜…、今日もいい天気だね」
「…そうですね」
「けど、最近急に寒くなって来たよね〜。私、毎朝布団から出るのが辛いもん」
「……、」
「けどもう12月だね〜。もうすぐ一年が終わっちゃうよ」
「はぁ〜…、分かりましたから口を動かさず、手を動かして下さい」
呆れた顔でため息交じりに言ってきた
後輩に注意されるとは、私も情けないな…
まぁいつもの事なのだけれども……
私はこの報道委員の委員長で、この真面目くん事日吉くんは副委員長
こうして何か仕事があれば昼休みや放課後、一緒に作業をしている
「けどさ〜、こんな仕事しなくたっていいと思わない?誰がこんな物見るのよ」
「けどこれを提案したのは、貴方じゃないですか?」
「…あれ?そうだったけ?」
「はぁ〜…、しっかりして下さいよ。委員長でしょ?」
はい…
仰るとおりで御座います…
私より確実に日吉くんの方が、委員長だと思うよ
「あ、言うの遅くなったんですが、今日の放課後は作業出来ませんので…」
「え!?なんで?後これ全部、私だけでしろって言うの?日吉くん酷いよ〜」
「だから喋ってないで、早く作業して下さいって言ってるじゃないですか。…明日、試合なんで練習しておきたいんです」
「そっか…、じゃあしょうがないね。試合、頑張ってね」
「はい、絶対に勝ってきます」
意気込む日吉くんに、私はそっと微笑んだ
「あの…、お詫びと言っちゃ何ですが…」
「うん?」
「良かったらこれ、一緒に行きませんか?」
そう言って差し出してきたのは、テディベアの博物館のチケットだった