a key to the secret
□第十七話
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「ど、どうぞ…。お口に合わないかもしれませんが、まだ引っ越したばかりで何もないので……」
「あぁ、」
「……、」
「………」
戸棚にあったお菓子とインスタントのコーヒーを入れ、跡部様へ出した
跡部様が来てから数分、お互い何も話さず、私は跡部様の向かいのソファに座った
うわ〜…、本当にどうしよう……!
どうやったらこの跡部様を誤魔化せるのかしら…―
「おい、」
「え?あ、はいっ!」
「さっさと質問に答えろ。お前は一体何者だ?先程も調べてみたが、お前の情報が全く無い。どういう事だ?」
「そ…それは……」
ヤバイ…
冷や汗が止まらない…!
なんか眼力で全てを見られている気がするよ〜…!!
「俺様の情報は国家情報よりも正確で情報も豊富だ。この俺様がお前ごときの奴の情報が分からないなんてありえねぇ。何かある筈だ」
「……、」
「黙ってないで答えろ」
此処はシラを切るしかないか?
そんな事、この跡部様に効く筈がない
嘘の経歴を言う…?
そんなの調べられたら一発でバレてしまう…
どう考えたって跡部様を誤魔化せる自信が無い……―
「答えられねぇって言うなら、マネージャーになると言う話は無しだ」
「―…っ!?そんなっ!」
「それが嫌ならちゃんと話せ。…真実をな」
”真実を話す”
もう私にはこれしか方法が残ってない…
けど真実を話した所で信じて貰える筈が無い
普通に考えて有り得ない話だもの
…けどこれが本当の”真実”なんだ……―