Ｆly
□episode.２
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「○○ ××です。えっと…、これから宜しくお願いします」
担任に自己紹介をしろと言われ、それに従い彼女はそう答えた
へぇ〜…、○○ ××、か…
（つーか、声まで綺麗…）
基本、俺は一目惚れなんかしない…―
つーか、一目見ただけで恋に落ちるとか、ある訳ねぇって思ってた
…けど実際、○○から目が離せない自分が居る…―
これはまさしく“一目惚れ”だ
「じゃあ○○の席は…、向日の隣だ。向日、手を上げてやれ」
「え！？…あ、はい！！」
いきなり自分の名前が出たもんだから動揺してしまい、声が裏返しになってしまった
（亮じゃねぇけど、今の俺激ダサ…）
俺は言われた通り手を上げ、○○はそれを確認して此方へ向かってきた
間近で見る彼女は本当に綺麗で、その澄んだ瞳に吸い込まれるかと思う程だった…
「お、俺、向日 岳人！宜しくなっ！！」
勇気を出して声をかけると、一瞬驚いた顔をしたがすぐに俯き、俯いたまま”宜しく”と小さな声で返された
……え？それだけかよ？
つーか、こっちを見て言えよな！
少しモヤモヤした気持ちの中、ＨＲは終わり、休み時間になった
その瞬間、クラスの女子が○○の所へと一斉に集まった
「○○さん、何処から来たの？」
「顔小さーい！可愛い！！」
「彼氏とかいるの！？」
……出たよ、女子お得意の質問攻撃
これだから女は嫌いだ…！！