SLAM DUNK
□ねむねむ
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寝坊した。
授業が始まるのが8時50分
起床時間8時40分
チーン。
ここまで遅れると
もう何分遅れても同じで
急がなきゃって気さえ起きなくなるわけでして
いつものように支度して
いつものように家を出て
いつものようにバス停に向かう
通学ラッシュを終えたバス停には
学生がいるわけもなくて
一目見ただけで
あ、こいつ遅刻してるくせにゆっくりしてる
ってのがわかる
そんな人目を気にすることもなく
私はいつものように音楽を聴きながら
バスが来るのを待つ
バスを待って早5分
1曲聞き終わったあたりで
私の隣に、一人並んだ
チラっと見ただけでわかった
桜木軍団の水戸洋平
同じクラスでもないし
何の接点もないけど
クラスと名前と顔は知ってる
きっと向こうは私のことを知らないけど
あ、この人も遅刻だ。
あくびしてるし寝坊かな
5分後
2曲目を聞き終わった頃
やっとバスが着いた
結局このバスに乗るのは
私と水戸洋平の2人だけみたいで。
私は真ん中の一人用の席
水戸洋平はその二つ後ろに座った
学校まではバスで20分くらい
ほどよいバスの揺れは
私を再び眠りの世界に連れていく
寝坊して遅刻のくせに
それでも眠る私は
まさに眠り姫
トントン
突然、左肩を二回叩かれた
気がつくと私は
6曲目を聞き終えていて
バスも学校前で停まっていた
顔を上げるとそこには
笑顔でバスの出口を指差す水戸洋平
私は眠り姫
起こしてくれたのは
優しい王子様
END