SLAM DUNK

□上機嫌
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何を考えてるのかわからない


それが彼の第一印象









授業中はずっと寝てるし

ていうか、自転車こぎながらも寝てるし

起こした先生に対してもキレるし


何のために学校に来てるのかなって思う



まぁ、バスケの為に来てるんだろうけど











この間

授業中に当てられそうな隣の席の彼を

初めて起こしたけど


もちろんキレてて

すごい目で睨んできて


でも、私は間違ってないと思ったから



『次当たっちゃうよ…?』

ってビクビクしながらも言った



彼は無言で起きたけど

もちろん、どの問題かも分かってなかったから


どのページの何の問題かを教えてあげて


だけど、答えがわかるわけもないから



『3番、だよ!!』



しょうがないから

サービスで教えてあげた









彼は私をチラっと見て

寝起きの声で


「3番」


と答えた









答えは当たりで


彼はまた、私をチラっと見た












なんとなく

「ありがとう」って

聞こえた気がした












私は思わず


「おやすみ」


って言ってしまった






彼は少し驚いた顔をして



少しだけ、笑った








ホントに少しだけで

口角がちょこっと上がっただけ









そして彼は

再びうつ伏せになって寝始めた
















何人たりとも彼の眠りを妨げてはならない

それは誰もが知っていて





それにチャレンジした私は

ちょっと勇者かもしれない
















でも、不機嫌じゃなかった彼



むしろ、軽く上機嫌だったみたいで










その理由を知ったのは



もう少し先のお話。







END

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