NS小説

□泣かないで
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『顔をあげてください。翔さん。』


俺は優しく抱きしめた。


神様…


今だけは今だけは…


どうか許してください。


『知ってますか?切ない恋をした分だけ幸せになれるんですよ?』


俺は翔さんに優しく囁いた。


自分に言い聞かせるように。


『傷付いた人はね優しくなれるんですよ。』


俺はニコッと微笑み背中を優しく撫でてあげるとポロポロと涙を流し始めた。


『元気になるまで俺は翔さんと一緒にいますよ。』


「ニノ…ありがとう。」


翔さんは俺の胸で朝までずっと泣いていた。


今は翔さんが元気になればいい。


ただ…それだけ。


この関係が壊れないように。


「…ニノ。俺のこと…必要としてくれる人いるかな?」


『いますよ。もちろん。ねぇ翔さん?』


「何?」


『今からおまじないしてあげますよ。』


「え?」


『翔さん、目を閉じてください』


翔さんは俺の言われた通り目を閉じた。


『テキューロ。』


俺は呪文と同時に優しく翔さんに触れるだけのキスをした。
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