No.1

□緊急特別企画そのいち
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 今回は水没してしまった本の対処について考えてみることにする。最初に何故このような記述をしようと考えたのか述べる。
 以前、浴槽内に文庫本を水没させてしまい、その後の対処の拙さから、本のページが開かなくなってしまい、結果として本を廃棄せざるを得ない状況になってしまったことがあった。またこの他にも、浴槽内でのうたた寝から本を水没させる事はしょっちゅうであり、その際の効果的な対処法について研究する必要があると感じたからである。
 それでは水没してしまった本の症状について述べる。今回はKOEIの『三国志11武将ファイル』という本が水没した。この本はKOEIらしい割と上質の紙を用いているのが特徴である(本の内容自体は今回全く関係ないと思われるのでここでは記さない)。私が目を離しているすきに浴槽内に落下してしまった。直ぐに引き上げ作業を行ったが、綴じ代を除く三方と表紙が濡れてしまった。
 次にこの本についての処置を述べようと思うが、その前に前回の水没した本についての処置を述べて、今回との比較にしようと思う。前回の本は文庫本であり、紙質も今回とは違い、かなり薄い。前回は水没後、紙がよれるのを防ごうと、水分をあまり蒸発させずに辞書数冊による『重石』を実施し、そのまま乾燥させた。実際に乾いたと確認したのは実に二週間後であった。しかしその結果、『重石』がかなり効いてしまったのか、本のページ毎がくっついてしまい、ページをめくるのに非常に労力が必要になってしまった。また本の形も崩れてしまい、見栄えもかなり悪くなってしまった。
 前回の件で、@『重石』をする前にはある程度乾燥させること、A『重石』のし過ぎは紙がくっついてしまう危険があるので注意すること、という反省点が得られた。この反省点に注意して、今回の本の処置を実施した。
 まず浴槽からの引揚げ後、表紙をタオルで十分に拭いた。次に乾いたタオルで本を簀巻き状態にし、足で綴じ代以外の三箇所を均一に踏んだ。水分を絞り出すのが目的である。ただしこれをやりすぎると、またページ同士がくっついてしまう可能性があるので、ある程度で止めておいた。次に本の背表紙と反対側(ページをめくる方)に口を付けて、ページをめくりながら息を吹きかけた。最後に本を縦にして、ページを開いた状態で一日陰干しすることにした。日なたで急激に乾燥させると紙がよれてしまうことが明白だからである。初日の処置は以上である。二日目は、本をタオルで簀巻き状態にして、辞書など数冊を『重石』として本の形状安定を試みた。三日以降は一日目・二日目の作業を交互に行うことにした。
 さて、結果であるが、前回はページがめくれなくなってしまったのであるが、今回は旧状態までとはいかないまでも、読める状態までに復帰した。『本を縦にして陰干しする』という作業が非常に効いたようである。
 次回以降の問題点としては、今回はたまたま紙質が良い本であったので、文庫本などの紙が薄い本の場合、同じような方法で出来るかであろう。でも出来れば水没はさせたくない。

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