小説1

□純愛譚
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真実、君は、小悪魔だ。
淫らに誘う、堕天使べリアルのように男も女もその魅惑の口唇に吸い込んでいく。

鮮やかなその赤は、

「ルー」

一体何の為に燃えているのだろうか。

「ルーファウス」

君は悪夢そのもの。

「…なんだ」

「任務の報告に来ましたよ、と」

血に濡れたシャツ。
嗅ぐう生臭い匂い。

「ノックをしろ」

「あい」

「社長と呼べ」

「あいあい」

ドアの前に立つレノは、姿勢を崩して興味なさそうに返事を返す。

「んじゃーちゃんと聞いてて下さいねっと」

その薄い口唇で言葉を紡いで聞かせる。
任務内容は相変わらずグロい。
その口唇で、私への愛の告白と賛美を聞きたいと思ってしまうのは、レノ、君がそう仕向けているからなのか?

しかし私は思うのだ。

君こそ私に跪くべき人間ではないか、と。






【純愛譚】






 
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