小説1
□社長様と猫と犬
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「ザァーックス!」
任務から帰ってきたヤツに真っ先に抱き着く。
「ぉーレノ!ただいまw」
黒い髪を風に揺らせて笑う。
ほんっとに久しぶり。
そのどでかい身体に絡んだまま、社内を歩く。
「今日空いてるか?と」
「空けといたぜーw飲みに行きたいんだろ?」
せぇーかい。
俺はにんまり笑ってザックスを小突いた。
さっそく荷物をまとめ残業放ったらかしてザックスと夜の街へと繰り出した。
2人行きつけのバーのカウンターに座り、お互い会わなかった間の武勇伝を語り合った。
どんな怪物を倒しただの、どこの組織を潰しただの、新人たちの失敗談を面白ろおかしく喋りたくって酒を呑み続け、ぐでんぐでんに酔っ払った。
久しぶりにコイツと呑む酒はやたら美味くて、いつの間にか俺はカウンターに俯せて潰れていた。