小説1

□抱き締めててダーリン
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「で?なんで噛み付いたりしたんだ」

「・・・・・・・」

行為が終わったあと独特の空気の中、ルードが口を開いた。

「・・・・なんか、安心したから」

ボソッと小声で答える俺。
らしくないぞ、と。

「安心?」

「安心」

キョトンとするルードに背を向けて。

「ルー・・・ドに触れてると、安心するんだぞ、と」

恥ずかしくて顔見れねぇよ。

「出来れば四六時中触れていたいし、その、側に居たいんだよ、と」

「なんか、自分の体と一緒になった気分になるんだ、と」

もう二度と言わねぇぞ、と。

背を向けたまんまだったから、ルードの手が回ってくるのに気付かなかった。

「ならこうして眠れば満足か?」

ルードは俺の首筋に顔を埋めて抱き締めた。

「っ・・・・そんなんで満足する俺様じゃないぞ、と」

嬉しいけど、絶対言ってやんねぇ。

だけどルードは全部お見通しみたいな口調で。

「解った解った。これからずっとこうしててやろう」

て俺の髪を撫でた。

「・・・・馬鹿ルード」

「お互い様だろう?」

俺たちは見詰め合って笑って、眠りに落ちた。

また明日になったら、抱き締めててくれよな、相棒。






end
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