小説1

□君ノ瞳ニ恋シテル
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ファミレスの奥の席に向かい合わせに座りコーヒーを二つ頼む。

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・なんだよ、と」
やたらと見詰めてくるカダージュにたじろくレノ。

「ぼく、殺してやろうかなって思うんだ」

ニッコリ笑ってカダージュが話し出す。

「そいつの隣にいつもいる人。
そしたらさ、そいつを拐って側に置いておけるじゃない?」

にこにこにこにこ

「そ、いつは何とも穏やかじゃない話だな、と」
危険なヤツだとレノは改めて確認する。

こんなやつに好かれた人は苦労するな、と。

「だからさ」

「ん?」




「社長のこと、殺していい?」




「・・・・・・・・は?」

そっとレノの手を包むカダージュの手。
それに頬擦りしなら

「ぼく、好きだよ、レノのこと」

突然の告白。

ちゅっ

手の平に口付けを落とすカダージュ。
その目はレノを捕えて離さない。

「行こう、レノ」

「ぇ。おいちょっと!」

ぐいぐいレノの手を引っ張って進んでいくカダージュ。
握り締める手の爪が食い込んで痛い。

「レノのこと大好き。
いつもいつもレノのこと考えてる。
レノのこと知りたいよ。
レノに近付く奴は死ねばいい。
ぼくが」

独り言のように呟くカダージュ。
向かう先は一体何処だろう。
カダージュの強さを知っているレノは抵抗出来ずに引っ張られていく。

「ぼくがレノのこと飼ってあげる」
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