小説1

□浸食
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「それ聞いたらザックス怒るぞ、と」

くっくっく。

不敵な笑い。
セフィロスはまた赤色が浸食してきた気がして目を逸らした。
そして何事もなかったように会話を続ける。

「で?それがどうした」

「・・・・・・・」

「レノ?」

「・・・・クラウドとザックスってどうなのかな?と」

「クラウド?」

突然出てきた後輩の名前。

「クラウドがどうかしたのか?」

「ぃゃ…仲良しさんなのかな、と」

「まぁ…よく面倒は見てるようだが」

レノの言いたいことがいまいち解らず曖昧に濁すセフィロス。

「ぁ、そういう意味でなくて。その…」

「?」

「・・・・・・つっ、付き合ったりしてんのかなって・・・・・!」

レノの耳は真っ赤だ。
腕を硬直させてじっとベットの縁を見詰めてる。
目は必死で、セフィロスはやっと理解した。


付き合うもなにも…
ザックスが好きなのは


「ザックスとクラウド?」


ザックスが本当に好きなのは



「あぁ…付き合ってるよ。
仲が良いんで任務まで一緒だ…」




ザックスが本当に愛してるのは




「ぁっやっぱり?」

そんな気がしてたんだよな〜っと。
レノは手足を投げ出してベットに転がった。
笑っている。
嘘だ。
泣いている。
これは彼なりの悲しみ方だ。
私は何故嘘など吐いたのだろう…。

濡れた赤い髪がセフィロスの心を絡め出す。
 
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