小説1

□暗闇の太陽
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愛しいあんたは瓦礫の下。

愛しい身体は潰れちゃってんのかね。

いーよそれでも。

生きていて。

何でもいーから。

それでも愛しいから。






ビルが崩れて隠れていた太陽が高々とあんたを照らす。

あんたと同じ色だな、と。

きらきら光って、いつだって俺の道標を照らしてくれてた、俺の太陽。

目を細めて空に輝くそれを見詰める。

「そんなとこにいたんじゃ、あんたに触れないよ…」




残されたのは、惨めで滑稽な俺独り。









end
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