小説1
□愛育
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特に難無く任務をこなして、俺たちは真っ直ぐ家に帰った。
いつものバーに寄らなかったのは、同じ家に帰るのだから家で呑もうということになったから。
帰り道にコンビニに寄ると、スキンヘッドのでっかい男と赤髪の俺と、やっぱり目立つらしく店員にジロジロ見られた。
俺のシャツには血も滲んでるし、相当怪しいんだろな。
そこのコンビニでおつまみとワインを買って帰った。
ルードは俺の分の荷物まで持ってくれて、俺がありがとうと言うと目を逸らして、あぁ、と一言返事をした。
ルードが俺に…
俺だけに優しいのは、俺がルードの相棒だから。
家に着くとルードは上着を脱いでネクタイを緩めた。
俺はサイズの合わないでっかいシャツを脱いで半裸になった。
ルードが戸棚からグラスを出してきておつまみを広げる。
とくとくと透明なグラスに真っ赤な液体が注がれていく。
血みたいだな…
そう思って見詰めていたら、ルードにワインの入ったグラスを渡されて
「お前の色だな」
そう、微笑んだ。
「…俺様の赤はこんな濁っちゃいねーよ、と」
なんだか恥ずかしくて目を見れなかった。
バーで呑む時はいつも隣に座ってたけど、今日は向かい合ってワインで乾杯した。
「今日も一日お疲れ様〜っと♪」
カチン、といい音がしてワインを喉に通す。
「ぁ〜疲れたぁ」
「・・・・・・・」
俺は髪を上に纏めてピンで止めた。
前髪はゴーグルの形がついて跳ねちゃってる。